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FROM THE PRINCIPAL

  1. 園長通信
  2. After 運動会にみる2歳からの幼児教育の意義

After 運動会にみる2歳からの幼児教育の意義

運動会を終え、秋の園庭は自然界の変化であふれています。
運転手のSさんが事務所に顔を出し何かを置いていきました。私より先に子どもが駆け寄ります。「あ!柿だぁ!」橙と黄緑のまじる丸い果実から、にょっきりと出る節くれだった小枝をつかんで持ってきてくれました。園庭の柿がたわわに実る季節の到来です。子どもたちに柿もぎをしてもらおうと用務員のKさんが熱心に計画を立てます。実りの秋の主役は柿だけではありません。松林の砂場の横にある柚子の木をじっくりながめてみると、まだ熟さない実が鈴なりに生っているのが目に入ってきます。葉と同じ深緑色をしているため遠目に識別ができませんが、次第に満月のごとく色づいてくることでしょう。秋の自然美が、子どもの豊かな感性を刺激します。

運動会で使用した様々な道具が片づけられないまま職員室前におかれています。大盛況だった運動会の余韻が残る中、子どもたちは「運動会ごっこ」に興じていました。お兄さん・お姉さんたちの運動遊びへのあこがれの気持ちを次々に実現していきます。2歳・満3歳児の子どもたちも、その様子を見ることで立派に参加しています。「園長先生、みていてよ!」大きく手招きするほうへ近寄ると、ちいさな手に新品のなわとびが握られています。せーの!で跳んでみますが、年長さんのようには続きません。あれぇ、、と、がっかりしてうなだれる頭を下からのぞき込み伝えます。「挑戦したね!」

ピロティの下で年長さんたちが何か集団で戯れています。
いつもの笑顔で女児が駆け寄ってきました「みんなで遊んでいるの!ばいばーい!」そう告げると遊びの中へ戻っていってしまいました。運動会前、私を見かけては駆け寄ってきて一緒に遊びたがっていた姿はもうありません。今は仲間たちと一緒に集団遊びの虜になっています。ルールのある運動遊びで、一人では味わえない経験と達成感を感じ、教育要領が目標とする『協同的学び』の実りを迎え、子どもたちの人間関係はこれから大きく変化していくことでしょう。子どもの自立の足音に大きな喜びと少しのさみしさを覚えます。

Oxford大学のメルウィッシュ教授らの研究によれば、幼少期の経験は言語の発達と自己調整力(感情コントロールなど)に大きく影響すること、そして2歳から幼児教育を受けることによって子どもの将来に良い影響があること(2歳未満では大きな影響は見られない)がわかっています。また、教育時間は短時間でも長時間でも同様に良い影響があり、頻度は高いほうが良い、とされています。運動会後の子どもたちの飛躍的な成長を見逃したくない!そんな思いで見守る日々が続きます。